2023年の冬クール(1~3月)に見たドラマのまとめです。
今期のエントリーは17件+αとかなり多めでした。
①どうする家康 (日)NHK
今までの大河では見られなかった新しい視点から描く徳川家康の生涯の物語。孤独な幼少期を過ごし、桶狭間の合戦などの戦を経験した家康(松本潤)は「本能寺の変」で織田信長(岡田准一)を失う。窮地に追い込まれた家康がどのようにして戦乱の世を治めるのかを描く。
「麒麟がくる」と比べるとどうも見劣りしてしまうのも、家康の優柔不断のせいと言い切れるのかまだ判断できないところ。とりあえず次クールも続けて見ています。
主題歌:なし
②ブラッシュアップライフ (日)日テレ
市役所で働く実家住まいの独身女性・近藤麻美(安藤サクラ)がある日突然の事故死。と思いきや人生をゼロからやり直すことになるタイムリープヒューマンコメディー。気が付くと産婦人科のベッドの上にいて、目の前には若き日の父と母の姿があった。麻美の2周目の人生が始まる。
2週目どころではない内容であったが、人生の転機は毎回押さえつつも違った人生を謳歌する思いの外楽しめる内容だった。仲間を助けるためというのもマル。
主題歌:ブラッシュアップライフ/ fox capture plan
③舞いあがれ! (月ー土)NHK
“空”に憧れを抱く岩倉舞(福原遥)が、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、飛ぶ夢に向かって突き進む姿を描いたストーリー。1990年代の病弱だった少女時代から人力飛行機サークルや航空学校へ、そして現代へ空への憧れで時代を紡いだストーリー。
航空学校を卒業してエアラインに内定をもらいながらも、病に倒れた父の夢を叶えるために転身。それでも最後まで空とのつながりを切らすことなく物語を紡いだ良作でした。朝ドラを全話見たのは初めてでした。
主題歌:アイラブユー / back number
④女神の教室~リーガル青春白書~ (月)フジ
裁判官や検察官、弁護士などの法曹界を目指す学生たちが通う法科大学院、通称・ロースクールを舞台に、裁判官の主人公・柊木雫(北川景子)が「人を知らなければいい法律家にはなれない」と、法だけでなく人を学ぶ授業を展開していく。
意味のない授業はやらない、司法試験に受かる見込みのある生徒だけの選抜クラスを重視する藍井(山田裕貴)と、実務家としての理念を踏まえたカリキュラムを追及する雫があまりに対照的でした。
主題歌:まぶた / Vaundy
⑤大奥 (火)NHK
3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸のパラレルワールドを舞台に、ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を描く。福士蒼汰が公家出身の美しき僧・万里小路有功を演じる。
過去に放映された「大奥」をイメージしていたため全くハマらず、5話くらいで戦線離脱です。
主題歌: 蒲公英 / 幾田りら
⑥夫を社会的に抹殺する5つの方法 (火)TVer
一人の女性の復讐を通して、社会問題に鋭く切り込む新時代の社会派サスペンスドラマ。結婚一年目。幸せなはずの専業主婦・奥田茜(馬場ふみか)は、夫・大輔(野村周平)のDVやモラハラによって、少しずつ心を壊し、やがて夫に復讐することを決意する。
TVerのため視聴期限が1週間しかなく、6話目くらいで時間切れになってしまいました。痛快な復讐劇だったため最後まで見たかったので残念です。
主題歌:So Addictive / 伶
⑦星降る夜に (火)テレ朝
のどかな海街の病院で働く産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)が10歳下の男性と恋に落ちる模様を描く大人の“ピュア・ラブストーリー”。鈴は出掛けた先で遺品整理士の柊一星(北村匠海)と出会い、窮屈に感じていた既成概念をひっくり返されていく。
聴覚障害のある一星だが、コミュニケーションをとるのが大変うまく海外旅行先でもすぐに仲良くなってしまう特技の持ち主。羨ましい性格です。鈴もはじめは距離を置いていたものの徐々に魅かれてコミュニケーションのために手話を習うなど、新しいことを始める起動力に感銘を受けました。終盤に流れる「星月夜」も雰囲気を盛り上げてくれました。
主題歌:星月夜 / 由薫
⑧夕暮れに、手をつなぐ (火)TBS
浅葱空豆(広瀬すず)は、幼なじみの婚約者を追って上京した先で、音楽家を目指す青年・海野音(永瀬廉)と運命の出会いを果たす。とっくに恋に落ちているのに、なかなか恋が始まらない、夢追う二人を描いた作品。
しかしながら全く話が入ってこない。世代が離れすぎたせい?広瀬すず作品は、ネメシスについで個人的にはハズレ。さらに言うと永瀬廉作品も新信長公記に続いてハズレ。
主題歌:アルジャーノン / ヨルシカ Life goes on / King & Prince
⑨リバーサルオーケストラ (水)日テレ
元天才バイオリニストで現在は市役所職員として働く初音(門脇麦)と、初音を振り回す変人マエストロ・朝陽(田中圭)が、地元のポンコツオーケストラを一流オーケストラに大改造しようと奮闘する“音楽エンターテイメント”。
政治に振り回され、ライバルの悪質な陰謀にも負けず、市民を巻き込んで成功に導く団員の一致団結ぶりは良かったです。門脇麦も「麒麟がくる」で演じた架空キャラ「駒」の微妙な存在とは一線を画した演技で、ワケありの天才バイオリニストを演じ切りました。
主題歌:リバーサルオーケストラ / 清塚信也
⑩スタンドUPスタート (水)フジ
三星大陽(竜星涼)が、さまざまな事情を抱えた“訳アリ人材”へ投資する姿を描くビジネスストーリー。大陽は、生きづらさを抱えている人々などに「スタートアップ(起業)しよう!」と声を掛け、それぞれの可能性を見いだし新たな人生へと導く。
ストーリー的には上手く行き過ぎて現実離れしている感が満載です。特に面白いともつまらないとも思わない作品でした。というか、竜星涼はちょっと好きになれないキャラです。
主題歌:Bet On Me / JUJU
⑪忍者に結婚は難しい (木)フジ
「超実力主義」の甲賀忍者の妻・草刈蛍(菜々緒)と「超保守主義」な伊賀忍者の夫・草刈悟郎(鈴木伸之)は現代に生きる”忍者の末裔”。しかしお互いの正体を知らずに結婚。秘密を抱えた夫婦関係を軸として描く忍者ラブコメディー。
郵便局員として働きながら伊賀忍者としての副業をこなす、しかも本業中の白昼堂々副業の参集がかかるというあり得ない設定ではあるものの、大人も子供も何らかの形で忍者に関わる忍者ワールドに浸りました。娘たちがなぜか大ハマりで大変でした。
主題歌:あかときリロード / aiko
⑫しょうもない僕らの恋愛論 (木)日テレ
世代も性別もばらばらな男女3人の揺れ動く感情を繊細に紡ぐ。拓郎(眞島秀和)の元に、かつて思いを寄せていた女性が亡くなったという知らせが届く。40歳を超えて生き方や仕事に葛藤を抱える拓郎が、二人の女性との交流を通じて自身を見つめ直し、新たな一歩を踏み出していく。
年代を超えたそれぞれの想いが、過去から現在と時間を越えて入り交じりそして消えていく、流れに呑まれず大人の価値観を表現した作品だと思いました。
主題歌:We Good / JO1
⑬花嫁未満エスケープ 完結編 (金)テレ東
2022年4月期に放送されたドラマの続編。舞台は前作の半年後、仕事に邁進し、恋愛から遠ざかっていたゆう(岡崎紗絵)に、再び恋の兆しが訪れることで物語が動き出す。
勢揃いした前作のメンバーに加えて、新しい環境をとりまく新キャストを含めての完結編でしたが、4話のみのショートストーリーで、人物に感情移入できぬままに終わってしまった感があるのが残念でした。
主題歌:Love Me Better / iScream
⑭リエゾンーこどものこころ診療所 (金)テレ朝
郊外にある児童精神科「さやま・こどもクリニック」院長であり、自らも発達障害を抱える佐山卓(山崎育三郎)の活躍を描く医療ドラマ。研修医・遠野志保(松本穂香)は佐山と共に発達障害の子供に向き合っていく。
結局何が言いたいのかよくわからないドラマでした。院長、研修医の他、臨床心理士の向山(栗山千明)や言語聴覚士の堀(志田未来)などが、クリニックの中でそれぞれの仕事を全うしていく様子が淡々と描かれていました。精神科ということで子供の症例に応じて決まった対処法は無く、いろいろ試しながらの対応をすることはわかりましたが、結局初めの感想に帰着してしまいました。
⑮全力で、愛していいかな? (金)テレ東
大人同士の不器用な年の差“うぶきゅん”ラブストーリー。建設会社に勤める千世(桜庭ななみ)は、おじさんたちに囲まれながら日々仕事に励んでいた。そんな中、ひょんなことからランチを一緒に食べる様になった“ひる友”の瀬尾(竹財輝之助)から突然告白される。
高校生をキャスティングしたら何の違和感もないストーリーでしたが、いい年した二人が織りなす恋愛ストーリーは案外ハマりました。竹財輝之助は「部長と社畜の恋愛はもどかしい」のインパクトが強く残っているのですが、結構好きな俳優さんで、桜庭ななみとのパートナー役もバッチリ決まってました。
主題歌:あいあい / 黒子首 MOON NIGHT / I Don't Like Mondays.
⑯三千円の使い方 (土)フジ
御厨家三世代の女性が“節約”を通して「どのような人生を送りたいのか?」を真剣に考え、悩み奮闘する姿を描く。御厨家の次女・美帆(葵わかな)は、1人暮らしを始め、憧れの社会人ライフを満喫。しかし、ある出来事がきっかけで悩み、自分の人生を見つめ直す。
目的を持てたことでお金に関する考え方が変わるというストーリーで、マネーリテラシーの初歩としてはとても良い作品だと思いました。
主題歌:Choices/LE SSERAFIM
⑰ハマる男に蹴りたい女 (土)テレ朝
挫折した元エリート・設楽紘一(藤ヶ谷太輔)と、ズボラ女子西島いつか(関水渚)が繰り広げるラブコメディー。大手飲料メーカーの営業マンで実力も認められていた紘一は、ある日上司の反感を買い子会社に転籍することに。転籍が事実上のリストラだと気付いた紘一は勢いで辞職してしまう。
再就職先が下宿の管理人というところからぶっ飛んでおり、期待度が下がってしまいますが、最後まで見ることはできました。特別に良いとか悪いといった感想はありませんでした。
主題歌:Lemon Pie / Kis-My-Ft2
⑱居酒屋新幹線 (再放送)テレ朝
損保会社の内部監査室で働く高宮進(眞島秀和)は日帰り出張で全国を飛び回っていた。彼のひそかな楽しみは、出張先で見つけたテークアウトグルメを帰りの新幹線で堪能すること。高宮は駅弁や郷土料理、地酒やスイーツなどを新幹線で堪能しながら至福の時間を過ごす。
JR東日本の協力ということで毎度東北方面ばかりではあったが、チョイスが良く食べてみたいと思うようなもののオンパレードでした。深夜枠でお金がかかっていないことは明らかでしたが、これほどよだれが出そうになるドラマはそうそうありません。
主題歌:Traveling Train/ReN 7997/オレンジスパイニクラブ
⑲名古屋行き最終列車(特別編) (土)メ~テレ
「大垣編」と新章の「最終列車で始まる恋」の二本立て
「17歳の監督 ~名古屋行き最終列車大垣編~」は岐阜県大垣市が地域おこしのために映画を撮ることに。そこに招聘したのが天才映画監督の溝口新(鈴木福)。しかも何故か若いのに巨匠ぶった態度の憎たらしい監督で、ワガママでスタッフを困らせます。
福くんの圧倒的ないやらしい演技力もさることながら、プロデューサーの花岡めぐみ(大原優乃)が高校生らしい初々しさを上手く演じていました。「ただ離婚していないだけ」で演じたやる気のないガールズバーの店員とは正反対の素晴らしい演技でした。
「最終列車で始まる恋」の主人公・晴(はる)は、一度夢を叶えたものの挫折してしまう。地元の名古屋に帰ってきてからも人間不信のまま特に生きがいもなく生活する中で、深夜のバイトに向かう最終列車で偶然幼馴染みの茉子(久間田琳加)と15年ぶりに再会。昔、晴に憧れていた茉子の描く理想に合わせるべく、小さな嘘を積み重ねていく晴。茉子と会う中で晴の気持ちにも変化が生まれるが、嘘に塗り固められた恋はどう発展する?
夢を応援してくれている茉子の期待を裏切りたくない気持ちと、ひょんなことから事件に巻き込まれて立ち直れなくなってしまった現実とのギャップに葛藤する晴の姿がリニア中央新幹線を通じて描かれ、序盤から引き込まれました。
主題歌:
最終列車で君に会いにゆく/チョーキューメイ
⑳自由な女神 ―バックステージ・イン・ニューヨークー (土)フジ
地方の工務店に勤務するサチ(井桁弘恵)は洋服を作るのが趣味だが、仕事にする才能は自分にはないと思い込んでいた。そんな中、突然、サチの前にドラァグクイーンのクールミント(武田真治)が現れる。
やはり知らない世界の話だけ合って引き込まれることはなかったが、親の想いと異なっても、自分のやりたいことを突き詰めていけばいずれ認めてもらえるというドラマのようなお話でした。
主題歌:LONELY LONELY / ALI
本クールは以上20作でした。⑱~⑳は除外するとしても全17作で非常に多くの作品に触れたクールでした。
その中でのトップは非常に決めにくいのですが、同率2位が、②ブラッシュアップライフ、③舞いあがれ!、⑦星降る夜に でした。どれかが突出して良かったとも言い切れないもののどれも良かったと思います。
次いで、⑮全力で、愛していいかな?、⑯三千円の使い方 で、評価ポイントは全く異なりますが、どちらも内容的に満足できました。